文化財

01
刀 剣
古より刀は、実用的な武器であると同時に儀式などで用いられる祭祀具として、または神様への捧げものとして、そして神様の御神威の象徴、あるいは神そのものとして扱われるなど、非常に神聖なものでありました。
多くの武士たちが神社に刀を奉納していたという事実がそれを物語っており、そのような行動の背景には、古代から行われていた「神へ武器武具を捧げる」という習わしが根底にあるのです。
当神社の御祭神は、軍事を司る一族として天皇に仕えて鉄器の製造などを担っていた物部氏の祖神。そして神社名にも由来する「刀」は、特に数多く奉納されております。
重要美術品
太刀
石切丸
三條有成 作/平安時代
三條有成は河内国(大阪府)に住み、源氏の武者達のために刀を鍛えた。古来有名な刀工であるが、三條宗近と同一人物、宗近の子という説もある。源義朝の長男で悪源太と呼ばれた源義平の太刀も石切丸である。当社御神刀と同一であるかは定かでないが、河内源氏の出であり、義平の石切丸も有成の作と言われていることから縁はあると考えられる。
昭和十四年二月二十二日に重要美術品に認定。昭和十一年に平井千葉が研磨し、平成三十年その孫にあたる人間国宝 本阿弥光洲の手により部分研ぎが為された。
太刀
小狐丸
三條宗近 作/平安時代
三條宗近は、稲荷明神の相槌を得て名剣を鍛え上げる能「小鍛冶」でも有名な刀匠。三條有成の父とも伝えられ(諸説あり)、京都三條で刀を鍛え、日本刀の祖の一人である。当社所蔵のこの刀は、稲荷明神の相槌を得て鍛え上げられた名剣「小狐丸」と謂われている。
太刀
小烏丸(写し)
月山貞勝 作/昭和十二年
重要刀剣
短刀
銘来国俊
来国俊 作/鎌倉時代
大太刀(長巻)
- 銘
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表)金房左近尉政重作裏)奉納御神前御太刀 河州同郡 大江木積 牛頭天王御寳前
明暦四戊戌天正月廿三日 摂州大坂住人 竹屋五郎兵衛尉藤原正吉 敬白
毎年、当神社の夏季大祭では神輿のお渡りが行われる。渡御列には、御神宝を捧持する所役があり、この太刀は長年神輿渡御の渡御宝物として大切な役割を果たしてきた。
刀工名は「金房左近尉政重(かなぼうさこんのじょうまさしげ)」。銘文から室町時代末に政重の手によって作られた大太刀を、大坂住人竹屋五郎兵衛が明暦4年戊戌(1658年)に木積宮牛頭天王社(当社は室町時代から江戸時代中頃まで京都祇園社より牛頭天王素戔嗚尊を勧請し、饒速日尊、可美真手命と合わせ三柱を御祭神としていた為、その時代は木積宮牛頭天王社と記される事が多い)に奉納したものであることが分かる。

02
銅鏡 等
てんのうじつげつめい じゅうぶんたい ししんしじゅうきょう
天王日月銘獣文帯四神四獣鏡
中国製/三世紀
三角縁神獣鏡の一つ。三角縁神獣鏡は、三世紀、邪馬台国の女王卑弥呼が中国の魏帝から入手したもの。この鏡と同じ鋳型で製作した鏡(同笵鏡)が他に一面あり、京都府椿井大塚山古墳から出土している。
てんのうじつげつめい からくさもんたい にじんじゅうきょう
天王日月銘唐草文帯二神二獣鏡
中国製/三世紀
三世紀、邪馬台国の女王卑弥呼が中国の魏帝から入手した三角縁神獣鏡の一つ。
同笵鏡がこの鏡を含めて、九面あり、愛知、岐阜、京都、奈良、兵庫の各県の古墳から出土している。
たんほうかんとうたちつかがしら
単鳳環頭大刀把頭
鉄刀の把頭に取り付けた装飾部。環状部分の中央に鳳凰を入れている。同じ鋳型で作ったものが大和(奈良)と上野(群馬)の出土品にある。中国で製作されたものがまとまって日本列島に搬入され各地に配布されたものとみてよい。
狛犬


